西暦5805年、滅びた地球からやってきました。ス・テテコ=Pです。
この時代に生まれた“小さな熱狂”を未来へ持ち帰ることが私の使命。
今回は、TBS火曜ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』の“感想・評価まとめ”をお届けします。
「ドラマが話題らしいけど、どんな内容?」「面白い?つまらない?」「原作との違いは?」
そんな疑問をすべて拾い上げ、この記事ひとつで理解できるように構成しました。
作品概要|『じゃあ、あんたが作ってみろよ』とはどんな作品?
まずは基本情報を整理しておきましょう。
- 原作:谷口菜津子による同名マンガ(連載中)
- ジャンル:恋愛/人間ドラマ/価値観再生系
- 放送局:TBS系
- 放送枠:火曜ドラマ(毎週火曜22:00〜)
- 初回放送日:2025年10月7日
- 脚本:安藤奎
- 演出:伊東祥宏、福田亮介、尾本克宏
主演は夏帆と竹内涼真のW主演。
夏帆が演じるのは「尽くす恋愛」に疲れた主人公・山岸鮎美。
竹内涼真は「料理は女の役目」と信じて疑わない“昭和脳”の恋人・海老原勝男を演じています。
二人の関係が“プロポーズの直後に破局”するという斬新な導入から始まり、
料理という生活の中心にある行為を通じて、価値観の衝突と再構築を描くヒューマンドラマです。
感想&評価|SNSや視聴者のリアルな反応まとめ
放送直後からSNSでは、「このタイトル、強すぎる」「価値観ぶつけ合う系、刺さる」といった反応が多く見られました。
特にX(旧Twitter)では、“料理は女がやるもの”という古い価値観にツッコミが殺到する一方、そこに真っ向から向き合うストーリーに共感する声も目立ちます。
ポジティブな感想
- 「自分の過去の恋愛を思い出して泣いた」
- 「料理を通して価値観をぶつけ合うって新しい」
- 「夏帆さんの目の演技がリアルすぎて鳥肌」
- 「昭和の男代表みたいな竹内涼真が憎めないの不思議」
ネガティブ・賛否分かれる声
- 「価値観が古すぎて、正直見るのキツかった」
- 「女が料理して当然って前提がそもそも受け入れられない」
- 「重めの話が苦手な人にはちょっと合わないかも」
とはいえ、“この違和感こそがテーマ”であり、挑戦的な作りであることも高評価の理由。
SNSでは「これは令和の“価値観リセット”ドラマ」としても語られており、単なる恋愛ドラマとは一線を画す内容が話題を呼んでいます。
また、視聴者レビューサイトでも初回放送から高評価スタート。
「気まずいけど観てよかった」「不快をちゃんと描けている」といった感想が多数寄せられています。
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あらすじ・テーマ|“料理”と“恋愛”が交差する人間ドラマ
ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』の物語は、“別れ”から始まる再生の物語です。
主人公・山岸鮎美(夏帆)は、料理上手で気配りもできるいわゆる「理想の彼女」。
しかし、恋人・海老原勝男(竹内涼真)との日常は、「料理は女性がやって当然」という価値観に縛られていました。
ある日、プロポーズされるも、鮎美は突然「無理」と返答。
その場で破局となり、二人は“恋人関係”から“赤の他人”へと戻っていきます。
そこから物語は、「じゃあ、あんたが作ってみろよ」という象徴的な一言をきっかけに、
勝男が自分の手で料理を始め、少しずつ“誰かに尽くす”という行為の意味に気づいていく展開に。
“料理”はただの食事じゃない
このドラマにおける料理は、単なる家庭的スキルではなく、価値観の象徴として描かれています。
- 誰が作るか
- 誰のために作るか
- 作らされているのか、自ら作っているのか
こうした問いが登場人物に突きつけられ、
“食卓”という日常が、その人の在り方や関係性をあらわにする舞台になっているのです。
令和の恋愛ドラマにふさわしいテーマ性
この作品は、恋愛の甘さやトキメキよりも、“すれ違い”や“無意識の思い込み”とどう向き合うかに重点を置いています。
「結婚したらこうなるべき」「恋人なんだからこれくらい我慢すべき」
そんな“あたりまえ”を、強くも優しく壊してくれる物語。
観ている側も、どこか自分の記憶や価値観にチクっとくるような感覚があるでしょう。
それこそがこの作品の魅力であり、テーマの核心でもあります。
印象的なシーンと深掘り感想
『じゃあ、あんたが作ってみろよ』の中で、特に心に残るのは、「食卓」をめぐる沈黙のシーンです。
たとえば、プロポーズ直後の晩ごはん。
鮎美が丁寧に作った煮物を前に、勝男がスマホをいじりながら「味、薄くね?」と一言。
その瞬間、食卓に流れる静けさと、鮎美の表情の“ピクリ”とした変化。
派手な演出があるわけではないのに、その“無言のズレ”が全視聴者の胸に刺さる。
ああ、これが“すれ違い”なのだと、セリフ以上に伝えてくれる演技と演出が見事です。
料理は「愛情」か「義務」か
もうひとつ印象的なのは、勝男が初めて自分で料理を作るシーン。
慣れない包丁さばき、焦げた鍋、レシピ検索に苦戦する姿……
それでも、出来上がった小さな一皿を前に、彼が呟く「……思ったより大変だな」
このセリフには、“料理の大変さ”と“やってもらっていたこと”の重みが詰まっています。
視聴者の多くが、「これ、自分にもあった」「言われたことある」「やってきた側だ」と共感。
食事という何気ない行為が、人間関係の縮図になっていることを痛感させられます。
セリフではなく「間」で語る演出
本作は、感情を爆発させるようなセリフ劇ではなく、「沈黙」や「ためらい」で語るタイプの演出が特徴です。
鮎美が料理をしながら、背を向けたまま涙をこらえる場面や、
勝男がうまく言葉にできないまま、もどかしさだけが滲むシーン……
そうした“語られない感情”にこそ、観る者の心を震わせる力があります。
これは派手な展開を求める視聴者には地味に映るかもしれませんが、
丁寧に描かれた感情の機微が“じんわりと効いてくる”感覚は、まさに令和ドラマの真骨頂といえるでしょう。
原作との違いは?|マンガ版との比較と考察
『じゃあ、あんたが作ってみろよ』は、谷口菜津子さんの同名マンガが原作。
原作はWeb連載としてじわじわと話題になり、日常に潜むジェンダーや家庭内のモヤモヤをリアルに描いた作品として注目を集めました。
原作のトーンはよりリアルで“刺さる”
原作では、鮎美と勝男のすれ違いや、日々のイライラ、息苦しさが、コマの隙間やモノローグを通じて描かれます。
特に印象的なのは、「自分のために作る料理はおいしい」という気づき。
恋人のために料理していた時は気づかなかった「食べたいものを作る自由」を手に入れた鮎美が、静かに笑うシーンは象徴的です。
ドラマ版はマイルドかつ共感重視に
一方でドラマ版は、テレビ向けに演出が調整されており、原作よりも“優しめ”“見やすさ重視”に仕上がっています。
- 勝男の“昭和的価値観”がややコミカルに描かれる
- 鮎美の怒りや悲しみも感情的に爆発することなく丁寧に描写
- セリフや演出で“説教臭くならない”ようバランスを取っている
このアプローチにより、視聴者層が広がりやすい作りにはなっているものの、
「原作のキツさが好きだった」という層には少し物足りないという声もあるようです。
エンディングはオリジナルの可能性も
原作が連載中ということもあり、ドラマ版は独自のラストを迎える可能性が高いと言われています。
結末に向けて、
- 再びふたりはやり直すのか?
- それとも、互いに別の道を選ぶのか?
原作ファンも、ドラマから入った視聴者も、“結末の選択”に注目が集まりそうです。
『じゃあ、あんたが作ってみろよ』は観るべき?おすすめ度を★で評価!
ここまで観てきた方にとって、気になるのは「結局このドラマ、観る価値あるの?」というところでしょう。
私ス・テテコ=Pなりに、3つの視点から評価してみました。
① ストーリーの深み ★★★★★
ただの恋愛ドラマにとどまらず、価値観・役割・自立・感情の再構築まで描いており、
非常に濃密なテーマを含んでいます。日常を生きるすべての人に“刺さる”内容です。
② キャスト・演技力 ★★★★☆
夏帆と竹内涼真の演技が、台詞よりも「間」や「沈黙」で伝える表現に優れており、非常に見応えあり。
特に夏帆の“微笑と諦念が同居した表情”は見事。
③ メッセージ性・現代性 ★★★★★
令和の今、「家事」「恋愛の役割」「女らしさ・男らしさ」といった固定観念に疑問を持つ人が増えているなか、
このドラマは「その価値観、本当にあなたのもの?」という問いを投げかけてきます。
「なんとなくモヤモヤしてた」ことに言語と物語で寄り添ってくれるのが、この作品の真価。
観た後に“心の整理”が進むような後味が残ります。
総合評価:★★★★★
“優しく突き刺す”作品。静かだけど、ずっと心に残る。
そんなドラマを探している方には、強くおすすめできる1本です。
まとめ|こんな人にこそ刺さる作品です
『じゃあ、あんたが作ってみろよ』は、料理と恋愛を通して、“自分のままでいることの難しさ”と“誰かのために尽くすことの本質”を描いたドラマです。
こんな人に、特におすすめしたい作品です:
- 恋愛の中で「私ばっかり頑張ってる」と感じたことがある人
- 日常に潜む“ジェンダーギャップ”や“役割の偏り”に違和感を抱いたことがある人
- 静かなドラマでも、心の機微をていねいに描いてくれる作品が好きな人
- 「尽くす愛」と「対等な関係」の境界線に迷った経験のある人
派手な展開こそ少ないですが、「わかる……」「自分もこうだったかも」と共感できる“気づき”のある物語として、長く心に残る作品になりそうです。
……以上、ス・テテコ=Pでした。
この時代の“当たり前”と、静かに戦ったこの物語。
未来でもきっと、誰かの心に響くでしょう。
また、別の“熱狂の記録”でお会いしましょう。



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