こんにちは。西暦5805年、滅びた地球からやってきました。ス・テテコ=Pです。
この時代に生きた人々の“熱狂”を未来へ残すべく、私は今、TBSドラマ『じゃああんたが作ってみろよ』を観測しています。
2025年秋の注目作として放送が始まった本作は、地方都市を舞台にした物語。
主人公が東京から故郷・大分県別府市に戻り、悩みながらも「もう一度つくる」ことに向き合っていく姿が描かれています。
原作は谷口菜津子さんの同名漫画。主演は竹内涼真さんと夏帆さん。
静かな土地で動き出す人間関係や、湯けむりの風景の中で見えてくる感情が、放送直後からSNSでも大きな反響を呼んでいます。
舞台となる別府市には、物語の背景となる温泉街や映画館、生活感ある路地などが実在し、映像のリアリティに深みを与えています。
この記事では、ドラマの魅力とともに、なぜこの物語が大分でなければならなかったのかを読み解きながら、実際のロケ地情報やキャスト、今後の展開までをひとつひとつ丁寧に掘り下げていきます。
検索からたどり着いたあなたが、「ここだけで全体がわかった」と思えるよう、静かに、でも情熱を込めて記録していきます。
『じゃああんたが作ってみろよ』放送中!原作・ドラマの基本情報まとめ
『じゃああんたが作ってみろよ』は、漫画家・谷口菜津子さんによる同名のコミックを原作としたテレビドラマです。
2025年10月より、TBS系「火曜ドラマ」枠(毎週火曜22時〜)で放送中。
主演は竹内涼真さんと夏帆さんのダブル主演で、原作の世界観を丁寧に描写しながら、地方を舞台としたオリジナル要素も随所に加えられています。
原作について
原作は、SNS時代における“創作のしんどさ”や、“何かを作る人”の葛藤を描いた群像劇。
商業としての創作、自意識と評価、そして“作ること”が生活とどう交わるか──そんなテーマに真正面から挑んだ作品です。
ドラマのあらすじ
主人公・川上勝男(竹内涼真)は、東京で映像制作に携わっていたが、心身の限界から地元・大分県別府市に帰郷。
母の営む温泉宿を手伝いながら、創作を諦めた自分と向き合っていく。
そこで再会するのは、地元に残り続けた幼なじみ・志賀鮎美(夏帆)。
夢を語ったかつての日々、いま目の前にある生活、そしてもう一度“つくる”という選択──
勝男は、故郷の風景の中で自分を見つめ直し始めます。
スタッフ情報
- 原作:谷口菜津子『じゃあ、あんたが作ってみろよ』
- 脚本:安藤奎(大分県出身)
- 演出:塚原あゆ子 他
- プロデューサー:新井順子
- 制作:TBSスパークル/TBSテレビ
主なキャスト
- 川上勝男:竹内涼真
- 志賀鮎美:夏帆
- 川上妙子(勝男の母):風吹ジュン
- 小野島壮一(勝男の元上司):滝藤賢一
- 松浦りん(地元の高校生):當真あみ
“つくること”の苦しさと喜び、そして“地方で生きる”ことのリアル──
このドラマは、静かで等身大の視点でそれらを描き出します。
大分県が舞台に選ばれた理由とは?|別府・地元とのつながり
『じゃああんたが作ってみろよ』が大分県・別府市を舞台にしていることには、明確な意図があります。
まず注目すべきは、脚本を担当する安藤奎さんが大分県出身であるという事実。
インタビューでは、「地元の風景や空気が、自分にとって“創作の原点”」と語っており、勝男が東京から別府に戻るという設定にも、その個人的な実感が色濃く反映されています。
別府という土地の力
別府市は、言わずと知れた温泉地であり、観光都市でありながら、地元民の生活がしっかり息づいている街です。
湯けむりの立ちのぼる坂道、昔ながらの旅館街、小さな映画館や商店街──
そうした風景は、勝男が“東京で失った何か”を取り戻す場所として、物語に静かな説得力を与えています。
単に“地方だから”ではなく、別府だからこそ描ける「つくること」と「暮らすこと」の両立。
それを作品全体で体現しようという意志が感じられます。
原作の舞台設定とのつながり
原作漫画でも、主人公の実家が別府市にあるという設定があり、
その点がドラマでもしっかりと踏襲されています。
映像化にあたっては、ロケ地選定にあたり大分フィルムコミッションが全面協力。
別府市役所も撮影を支援し、地元エキストラの参加など、制作チームと地域が一体になったプロジェクトとして展開されています。
“地方で生きる”ことのリアリティ
コロナ禍以降、「地方移住」や「リモートで働く」など、“東京以外の場所で人生を立て直す”というテーマは、多くの視聴者にとって身近なものとなりました。
このドラマでは、別府という具体的な土地を通じて、
「都会で疲れた人がもう一度立ち上がる場所」としての地方を、リアルに描いています。
観光地としての別府ではなく、生活と創作の場としての別府。
それが、この作品における大分の存在感なのです。
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『じゃああんたが作ってみろよ』では、大分県内──特に別府市と大分市を中心に、実在する場所でのロケが行われています。
作品のテーマである「創作」と「暮らし」のリアリティを支えているのが、この具体的な風景です。
以下では、判明しているロケ地を中心に、どのようなシーンで使われたのかもあわせて紹介します。
① 鉄輪(かんなわ)温泉街(別府市)
主人公・勝男の実家設定とされる温泉宿が登場する場面で使われたのが、鉄輪温泉街です。
石畳の道、湯けむりの立つ通り、木造旅館の外観──
いずれも「帰ってきた」という感情を視覚で語る象徴的な背景となっています。
登場シーン:第1話冒頭、勝男が実家へ戻る場面/第2話で母・妙子と会話する場面
② 別府ブルーバード劇場
別府駅近くにある老舗映画館。
劇中では、勝男が地元の若者と交流するきっかけのひとつとして登場。
「かつてここで夢を語った場所」というセリフにも象徴されるように、創作の記憶が眠る空間として演出されています。
③ 別府駅前通り・ソルパセオ銀座
別府駅周辺の商店街通りも、地元で暮らす鮎美の日常としてたびたび映されます。
レトロな雰囲気と生活感が、都会とは違う“時間の流れ”を感じさせる場所です。
④ 大分市中心部(府内五番街・若草通りなど)
勝男が地元のクリエイターたちとプロジェクトを立ち上げる舞台として、大分市の街中でも撮影が行われています。
登場シーン:第3話以降で描かれる、イベント会場設営や打ち合わせ風景など
⑤ 大分港・西大分フェリーターミナル付近
港の風景は、「別れ」「再出発」といったシーンに多く登場。
広く開けた空と静かな海の音が、勝男たちの心情を静かに包み込んでいます。
⑥ 地元住民との協力で生まれた“生活の風景”
銭湯の脱衣所、公民館の掲示板、雑貨屋のカウンター──
観光地ではなく、“暮らしの背景”としての大分を映すために、地元住民や商店の協力のもと、多くの生活空間がロケに使用されています。
撮影協力・地域との連携
このドラマでは、大分フィルムコミッション、別府市役所などが全面協力。
市民エキストラの参加や商店街の撮影支援もあり、地域密着型の制作体制が取られています。
放送を観ながら「この場所、行ったことある」「あそこ歩いたかも」と感じられるのは、実在の風景が丁寧に切り取られているからこそ。
地元の人にとっては“再発見”に、旅行者にとっては“目的地”に──
このドラマは、そうした映像と現実の橋渡しとして機能しているのです。
キャラクターと“別府”の関係性|勝男・鮎美・母との再会と葛藤
『じゃああんたが作ってみろよ』では、主人公たちの心の動きと、別府という土地の描写が見事に重なり合っています。
勝男と“故郷”別府
川上勝男(竹内涼真)は、かつて映像制作に没頭していたが、東京での疲弊と挫折を経て、地元・別府に戻ってきます。
彼にとって別府は、夢を語った場所であり、逃げるように離れた場所でもある。
旅館を営む母・妙子(風吹ジュン)との会話は、都会で傷ついた彼の心に静かに寄り添い、そして時には突き放します。
湯けむりに包まれた実家の風景は、記憶と向き合う舞台であり、“何もなかったように過ごす”には居心地が良すぎる場所でもあります。
鮎美の「残る」という選択
志賀鮎美(夏帆)は、勝男の幼なじみであり、ずっと別府で暮らしてきた人物です。
彼女は「地方に残ること」を肯定しながらも、決して現状に甘えているわけではありません。
文化的なイベントの運営や、地元の若者たちの活動にも積極的に関わっており、“自分の場所で、自分なりに何かを作る”姿勢を貫いています。
東京から帰ってきた勝男と、地元に根ざす鮎美。
二人の価値観のズレや、交わりは、この物語の静かな見どころのひとつです。
母・妙子と「生活」のリアル
勝男の母・川上妙子(風吹ジュン)は、温泉宿を女手ひとつで切り盛りし続けてきた人物。
彼女は“つくる”こととは無縁に見えて、毎日を守り続けてきた「生活者」としての強さを持っています。
勝男にとっては、母との距離感や、口には出さない想いに向き合うことが、もう一度“作る”自分を取り戻す第一歩になります。
別府という“内面の舞台”
この作品における別府は、単なるロケ地ではなく、キャラクターの心情を可視化する空間として描かれています。
- 湯けむりの中に立ちすくむ勝男
- 映画館の椅子に座って黙る鮎美
- 港の堤防に並んで座る親子
すべての場所が、彼らの内側と対話する場面として成立しており、それが視聴者の感情にも静かに染み込んでいきます。
感想・視聴者の声|「この風景見覚えある!」「地元が出て誇らしい」
『じゃああんたが作ってみろよ』の放送が始まるやいなや、地元大分県の視聴者や観光経験者の間で、大きな反響が巻き起こっています。
地元民からの声:「うちの街がこんなに丁寧に映されてるなんて…」
放送直後、X(旧Twitter)では以下のような感想が目立ちました。
- 「まさかのブルーバード劇場!高校の帰りに寄ってた場所がドラマに…」
- 「勝男が歩いてた坂、あれ鉄輪温泉だよね?親近感すごすぎ」
- 「大分って、こんなに“映画になる街”だったんだなって思えた」
ドラマに描かれる別府の風景が、ただの背景ではなく“生活の記憶”として視聴者の心に重なる点が、高く評価されています。
旅行者・ファン層からの声:「ロケ地、絶対行きたい」
また、これまで別府を訪れたことがある人々や、地方ドラマ好きの層からは、“聖地巡礼”への期待も高まっています。
- 「湯けむり坂、来月行くからロケ地マップほしい」
- 「なんか映画みたいな空気感あるな…絶対Blu-ray欲しいやつ」
- 「観光じゃなくて“暮らし”の別府が映ってるのがいい」
このように、単に「映像がきれい」というだけでなく、
その街に根ざした人間関係や日常が丁寧に描かれているからこそ、視聴者が「自分の風景」として作品を受け止めていることがわかります。
メディアの評価も上々
テレビ誌やカルチャーメディアでも、「地方ドラマの進化形」「生活と創作が共存する空気感が秀逸」などと紹介されており、
- 音楽の静けさ
- 間の取り方
- 風景と演技の重なり
といった点に好評が集まっています。
大げさな盛り上がりではなく、淡々と積み重なる情感にこそ、本作の魅力があると感じている視聴者が多いようです。
今後の展開と注目ポイント|勝男は何を“作る”のか?
物語が中盤に差し掛かるなか、主人公・勝男の“次の一歩”がどう描かれていくのかに注目が集まっています。
創作は、ひとりで完結しない
勝男が東京で失ったものは、「評価」や「チャンス」ではなく、自分と、誰かとの信頼関係の中で“作る”という感覚でした。
別府に戻ってから出会う地元の人々──鮎美、りん、高校時代の仲間たち──
彼らとの関わりの中で、勝男は再び「ひとりで作らないもの」の存在に気づきはじめます。
「地元で何かを始める」リアルな壁
勝男が動き出すのは、地元の若者や高校生たちと一緒に、何かを形にするプロジェクト。
第3話では、地域イベントへの映像出展が話題となり、
今後は「商店街の活性」「観光と創作の両立」「世代間のズレ」など、地域に根ざした課題とぶつかっていく展開が予想されます。
鮎美との関係のゆらぎ
勝男と鮎美の間には、明確な恋愛要素は描かれていません。
しかし、お互いの「残る」「出る」という選択の記憶が、静かな緊張感として流れ続けています。
このふたりが、再び“同じ目線”で未来を見られるのか──
視聴者の多くが、そこに深い感情を重ねています。
大分発、“生活と創作”の新しい物語
今後の展開は、ドラマのテーマそのもの──「暮らすこと」と「作ること」は両立できるのか──という問いへと向かっていくでしょう。
観光地としての別府ではなく、創作の現場としての別府を舞台に、
この物語は、どこまで“現実に触れられる物語”として歩を進めるのか。
静かに、それでもしっかりと、期待が高まっています。
【まとめ】地方で“つくる”ということ──大分・別府の風景が語るもの
『じゃああんたが作ってみろよ』は、「創作」と「地方で生きること」をまっすぐに見つめる物語です。
主人公・勝男の心情を映し出すのは、都会ではなく、湯けむり立ちのぼる坂道や、寂れかけた商店街、誰かの声が響く映画館といった、大分・別府の“本物の風景”。
キャラクターたちは、誰も声を荒げず、劇的な変化も少ないまま、それでも一歩ずつ、前に進もうとします。
その姿に、かつて夢を諦めた人、いま何かを始めたいと思っている人たちが、静かに心を重ねているのではないでしょうか。
放送はまだ始まったばかり。
これからの展開を見守りつつ、ぜひ一度、その背景にある“大分の風景”にも目を向けてみてください。
物語の中に描かれる街並みは、きっと現実のどこかにあり、
あなたの暮らしのすぐそばにも、「作ることの意味」を思い出させてくれる場所があるかもしれません。
……以上、ス・テテコ=Pでした。



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