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『葬送のフリーレン』黄金郷編入門|マハトとヴァイゼとは?デンケン・グリュック・ソリテールなど登場人物を一覧で整理

アニメ/漫画
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こんばんは、棚整理担当のやまでぃーです。

『葬送のフリーレン』黄金郷編は、原作でも特に印象的な長編エピソード。SNSでも「マハトって誰?」「あの黄金の町は何?」と話題になりました。

本記事では、原作コミックス9巻~11巻(第81話~104話)を中心としたこのエピソードについて、登場人物たちの背景や関係性を丁寧に整理していきます。

「黄金郷(ヴァイゼ)」とは、一夜にして住民すべてが黄金に変えられたという伝説の街。その原因となった魔族・マハトや、そこに向かったデンケン一行、そして街の元領主グリュックとその娘ヴァイゼ——
この物語には、人間の記憶と選択をめぐる濃密なドラマが詰まっています。

まずは舞台設定や全体の流れをおさらいしつつ、注目キャラをひとりずつ紐解いていきましょう。

黄金郷編とは?舞台とあらすじを簡単におさらい

黄金郷編は、原作コミックス9巻〜11巻(第81話〜104話)に描かれるエピソードで、七崩賢・マハトの“ディーアゴルゼ(万物を黄金に変える魔法)”によって城塞都市ヴァイゼが一瞬にして黄金の都市へと変容した舞台を中心に展開します。

一級魔法使いのレルネンからの依頼により、フリーレン一行はヴァイゼへ。途中で同行するのは、一級魔法使いのデンケン、そして過去にこの地に関与したレルネンエーデルです。レルネンは戦術的な支援、エーデルは“大結界の解析”を担当します。

レクテューレは、かつてグリュックの娘としてこの地に暮らし、後にデンケンの妻となった人物。デンケンの精神的支柱として、物語の前面では描かれないながらも、その存在がデンケンの行動動機に大きく関与しています。

この編の中心テーマは、「魔族が人間を理解することはできるのか?」という問いにあります。
魔族・マハトは“悪意”という感情を持たず、人間を理解する手段としてグリュックとの“友情に近い関係”を築いていました。しかし、あるとき「不要な記憶」として彼を切り捨て、街ごと黄金に変えるという非情な選択を取ります。

一方、人間側では、記憶の中に残された想いこそが行動の源になっています。特にデンケンは、亡き妻レクテュールやグリュックとの過去を背負い、命をかけてマハトに挑みます。

“記憶とは何のためにあるのか”“選択は誰のために行うのか”──黄金郷編は、バトルだけではなく、そうした深い問いを投げかけるエピソードとして、多くの読者に印象を残しました。

マハトとは何者か?黄金に変える魔法と“七崩賢”の過去

マハトは、かつて魔王軍に所属していた“七崩賢”のひとりであり、「万物を黄金に変える魔法(ディーアゴルゼ)」を使う大魔族です。
フリーレン一行が訪れるヴァイゼを黄金郷に変えた張本人であり、黄金郷編の中心人物として登場します。

ヒンメルたち勇者一行との戦いでは一時的に敗走するも生存。人間との共存を学ぶべく、自ら進んで人間社会に身を置き、ヴァイゼの領主グリュックと10年以上にわたる交流を持ちました。

しかし、マハトが人間を理解する試みは、最終的に「魔族にとって不要な記憶は捨てるべき」という本能的な論理に回収されます。グリュックとの思い出さえも“役に立たない感情”とみなされ、ヴァイゼの街ごと黄金化するという結末に至ったのです。

この“記憶の取捨”は、魔族にとっては理にかなった選択でも、人間にとっては裏切り以外の何物でもありません。マハトの存在は、「魔族と人間は本当に理解しあえるのか?」というシリーズ通底のテーマを象徴する存在でもあります。

また、マハトは七崩賢の中でも最強格と目されており、かつてはゼーリエに挑むことも考えたほどの実力者。対話に長けた冷静な知性を持つ一方、必要とあらば迷いなく行動する決断力も持ち合わせています。

黄金郷編では、魔法そのものよりも、“記憶を選び、感情を切り離す存在”としての恐ろしさが際立つキャラクターです。

レクテュールとグリュックの過去|黄金にされた町と父の想い

グリュックは、城塞都市ヴァイゼの元領主であり、市民から慕われる人格者でした。幼くして死別した息子への思いを胸に、穏やかだが覚悟ある政治を志していました。

ある時、馬車移動中にマハトに襲撃され、護衛を失ったグリュックは堂々と「今日が命日だ」と覚悟を決めます。その姿に興味を持ったマハトは、人間固有の「悪意」や「罪悪感」を学びたいという自身の探究心を示します。

グリュックは、マハトに「お前にそれらを教えてやる」と提案。対価として、悪徳貴族たちの討伐を依頼し、二人の協力関係が始まります。マハトはグリュックに深い興味を抱き、彼を“親しき悪友”と認識するようになります。

グリュックの娘レクテュールは少年デンケンに想いを抱いており、差し入れを通じて交流を持っていました。マハトはその恋心を指摘しますが、グリュックは否定するも、実際には後に二人は結婚します。

やがてレクテュールは夭折し、デンケンとグリュック双方に深い喪失をもたらします。老いたグリュックは毎日墓参りを欠かさず、その寂しさが痛切に描かれています。

グリュックの寿命が尽きると察したマハトは、目的だった“罪悪感”を得ようと、ヴァイゼごと黄金へと変える「ディーアゴルゼ」を発動します。グリュックはそれを予期しており、不敵な微笑で「いつかこうなると思っていた」と応えます。

グリュックは最後、「君と過ごした日々は楽しかった」と語り、マハトも「私もです」と応じます。その後、グリュックは黄金化し、封じられました。

結局、マハトは“罪悪感”を得るために作った親しい者(グリュック)を殺さず、自らの仮説を実践しませんでした。グリュックに裏切る形となった黄金化は、“悪友”としての最後の選択だったのです。

デンケンの想いと決断|グリュックとの因縁と再会

デンケンは一級魔法使い試験編で登場し、試験でも冷静な判断と技術を示したベテラン魔法使いです。黄金郷編ではフリーレン一行に同行し、マハト討伐の鍵を握ります。

ヴァイゼは、かつて恋人レクテューレと過ごした地であり、義父グリュックとの過去が複雑に絡む場所でもあります。

かつてはグリュックと政治的に対立しながら、レクテューレとの交流を通じて徐々に絆が深まりました。レクテューレとの結婚とその夭折が、デンケンの人生と行動の根幹となります。

黄金郷編では、老年に差し掛かったデンケンが「レクテューレの墓参りをしたい」と決意し、ヴァイゼ解放へ。墓前に届ける想いを胸に、仲間のサポートの元、マハトと対峙します。

戦いでは、フリーレンが作り出した隙を共闘の機会として利用し、デンケンの魔力制御を極めた魔法がマハトへ致命傷を与えました。それは単なる任務ではなく、妻と義父への思いを背負った一撃でもありました。

戦後、デンケンはレクテューレの墓前で「俺は最後まで諦めなかったぞ」と語りかける—その姿が読者の胸に強く響きます。

この黄金郷編を通じて、デンケンという人物の“静かな情熱”と“強い決意”が深く描かれ、読者に忘れ難い印象を残します。

ソリテールとは?フリーレンと対になる“愉悦の魔族”

ソリテール(Solitär)は、黄金郷編で初登場した“無名の大魔族”。魔族ながら人間の生態や魔法の構造に科学的な関心を持ち、“知の探求者”として描かれています。〈七崩賢〉には属しませんが、マハトとは旧知の仲です。

彼女は「人間や魔法を研究対象として観察する」ことに強い意欲を持ち、他者との協調よりも「分析」と「理解」を優先します。まさに“一人遊び (solitaire)”のような姿勢です。

フリーレンとの対比が際立ちます。フリーレンは時間をかけて人間の感情を理解しようとするのに対し、ソリテールはそれを素材として冷静に扱い、「感情は魔族に不要」という立場を貫きます。

戦闘力においても非常に高く、黄金郷編では魔族側の戦況をコントロールしつつ、フリーレンたちとの駆け引きを演じます。観察と威圧で存在感を示す、慎重かつ知略型の魔族です。

また、マハトの“罪悪感を持とうとする姿勢”を冷笑し、「そんな感情は魔族には芽生えない」と否定する姿勢が彼女の思想を象徴しています。魔族という存在の限界と、冷徹な理性を同時に描くキャラクターです。

その他の登場キャラ|レルネン、エーデル、ゼーリエの役割

レルネン|冷静沈着な調査リーダー

一級魔法使い試験編でも登場するレルネンは、ゼーリエからの命を受けて、黄金郷編では調査と作戦統括を担います。戦いではなく情報と戦術を扱う知略派の魔法使いで、調査隊の司令塔として重要な判断を行います。

エーデル|二級魔法使いながら精神魔法の達人

エーデルは、二級魔法使いに位置づけられる魔法使いながら、精神操作系の魔法に卓越した存在です。黄金郷編ではレルネンとともにヴァイゼ調査に参加し、マハトが作った“支配の石環”を解析する術式構築を担当しました。

彼女は戦闘には直接関与しないものの、精神魔法の解析力・洞察力で調査隊をナビゲートします。地味ながらも“魔族との接触を可能にした存在”として、読者からの評価も高いキャラクターです。

ゼーリエ|神話と現代を結ぶ大魔法使い

ゼーリエは神話の時代から生きるエルフの大魔法使いで、「大陸魔法協会」の創始者でもあります。フリーレンの師匠にあたる存在ですが、思想や視点の違いから一定の距離を保っています。

この黄金郷編では現場には現れず、遠隔から全体戦略をコントロールする役割です。その存在感は戦闘以上に“選択”と“責任”の象徴として機能しており、「魔法とは何か」「誰のための正義か」を浮き彫りにします。

この3人が物語に加えるのは、戦いや感情を超えた“歴史と責任の重み”。調査・解析・指導を通じて、黄金郷編を単なるファンタジーの戦場ではなく、人間と魔族の選択を問うドラマに昇華させています。

まとめ:黄金郷編は“記憶”と“選択”の物語|フリーレンの旅が照らす人間らしさ

『葬送のフリーレン』黄金郷編は、ただのバトル展開に留まらず、「魔族と人間は理解しあえるのか」「記憶や感情はどこまで共有可能か」といったテーマに深く踏み込んだ重厚なエピソードでした。

マハトというキャラクターを通して、「記憶の選別」と「罪悪感の学習」という魔族的な合理性が描かれる一方で、デンケンやグリュック、レクテュールといった人間たちは、失われた記憶や愛を背負いながらも選び取ることをやめませんでした。

ソリテールという異質な魔族の登場、フリーレンと彼女の対比、そしてゼーリエ・エーデル・レルネンの知恵と支援——すべてが交差して描かれたこの章は、「人はなぜ記憶を持ち、感情で迷い、それでも進もうとするのか」を浮かび上がらせます。

フリーレンの旅は、“過去と向き合う旅”であり、“誰かの記憶を引き継ぐ旅”でもあります。黄金郷編は、その旅路の中でもとりわけ「人間らしさ」に正面から向き合った、大きな節目と言えるでしょう。

…以上、『葬送のフリーレン』黄金郷編の登場人物と背景、そしてテーマについて整理しました。
気になっていたキャラやエピソードが、少しでもすっきりと見えていたら嬉しいです。

——ジャンプ大好き書店員、やまでぃーでした。

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