【キングダム列尾攻城戦】原作47巻の攻略と結果をネタバレ解説｜“半日で落とす”覚悟の真実

※本記事はアニメ『キングダム』第6シリーズ（列尾攻城戦編）の放送にあわせて最新情報を加筆・修正しています。

原作『キングダム』で描かれる「列尾（れつび）攻城戦」は、秦軍が趙の国門を突破する大規模な戦いです。
第47巻・第504話「趙の国門」から第509話「矛の継承者」にかけて収録され、
“鄴（ぎょう）攻略戦”の始まりを告げる重要なエピソードとなっています。

この記事では、列尾攻城戦の原作話数・攻略の流れ・結果・登場人物の見どころをネタバレで整理。
王翦（おうせん）・楊端和（ようたんわ）・飛信隊それぞれの動きと、
「半日で落とす」という言葉に込められた意味を考察します。

第1章：列尾とは？趙国の国門“列尾城”の位置と役割【キングダム47巻】

列尾は、趙の西部に位置する堅固な城で、秦と趙を隔てる“国門”のような存在。
山と河に囲まれた天然の要害であり、趙王都圏へ踏み込むには必ず突破しなければならない最初の関門です。
秦連合軍（王翦・楊端和・桓騎）はこの列尾を皮切りに、趙の王都圏へ進軍していきます。

王翦は列尾攻めを自らは行わず、
「楊端和と飛信隊に列尾を落とさせる」と命じます。
ここから始まるのが、原作第504〜509話に描かれる「列尾攻城戦」です。

列尾攻城戦の序盤、趙軍は士気高く守りを固め、秦軍を圧倒する勢いを見せます。
貂（てん）が「二日以内に落とす」と宣言すると、楊端和は静かに言い放ちます。
「——半日で落とす。」
この一言が、戦場に緊張と覚悟を走らせました。

楊端和率いる山の民は、火球のように列尾へ突進。
矢の雨をくぐり抜け、城壁をよじ登る姿が描かれます。
その背後では、飛信隊の弓兄弟・仁と淡が初陣を迎え、
「人を撃てない」恐れと向き合いながら矢を放ちました。
彼らの成長と葛藤が、列尾戦の静かな見どころです。

バジオウ率いる山の民が城壁を制圧し、城門開閉の部屋を確保。
門が開かれた瞬間、信率いる飛信隊が突入します。
第509話「矛の継承者」では、信が王騎の矛を振るい趙兵を圧倒。
こうして列尾城は陥落し、楊端和の宣言どおり“半日”での落城が実現しました。

列尾攻城戦は単なる力押しではありません。
楊端和は山の民の特性を活かし、
「城壁を登る → 裏へ回る → 内側から門を開ける」という戦術を選択。
これにより短時間での突破を可能にしました。

一方で王翦は、列尾の“その先”を見据えていました。
列尾を落とすこと自体よりも、
落とした後に李牧（りぼく）をどう出し抜くか。
彼はこの時点で、趙の守りに仕掛けられた“罠”を読んでいた可能性があります。

列尾の陥落は、秦軍にとっての勝利であると同時に、
李牧との知略戦の幕開けでもあったのです。

列尾戦の魅力は、信や仁・淡といった若い兵たちの“覚悟”にあります。
初陣で人を斬ること、仲間を失うことへの恐怖。
それでも前を向いて戦う姿に、読者は心を打たれます。

「できるかどうかではなく、やるしかない」。
この想いが隊全体に伝わり、不可能を可能に変えた。
楊端和の静かな自信、信の情熱、そして仲間たちの勇気が重なった時、
列尾は半日で落城したのです。

列尾の攻城戦は勝利に終わりましたが、
その直後に王翦が姿を消し、
李牧が「列尾には罠を仕掛けた」と語る展開へと繋がります。
つまり、列尾陥落は秦の前進であると同時に、
これから始まる長い消耗戦の“序章”に過ぎなかったのです。

戦いの勝敗の裏に、人の覚悟と恐れ、そして冷静な戦略。
この二つの視点が交錯することで、
列尾攻城戦はただの戦いではなく「戦の哲学」として描かれました。

列尾の戦いは、未知への一歩を踏み出す勇気を描いた物語です。
楊端和の言葉どおり、“半日で落とす”とは
城を落とすことだけでなく、自分の迷いを越える決意でもありました。

アニメ『キングダム』第6シリーズでは、
この列尾戦がまさに今、描かれています。
原作の緊張感と覚悟がどう再現されるのか——。
その一瞬一瞬を見届けながら、
あなた自身の心にも小さな“進む勇気”を灯してみてください。

戦場で笑った男・王騎の“覚悟”をもう一度。
なぜ人は彼を「かっこいい」と感じるのか——その理由を掘り下げた記事です。

列尾の戦いの先に待つ、信と龐煖の宿命の決着。
アニメ第6期での描かれ方と、原作の対応巻はこちらでチェックできます。